忘れられない過去

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  「うぅ…急に動いたから少し目眩が…」 「まだ調子が悪いのなら暫く休んだ方が良い」 エルガの言う通りだな。休む前にリオに言わなきゃな。 「リオ、勘違いしてごめん。あまりにも似ててさ…」 「そう何度も謝るな。似てる人など沢山いるからな」 …やっぱり似てる。ぼんやりとしか思い出せないんだけど、僕の父さんもリオみたいに笑ってた。 「それにしても、海哩の髪は本当に綺麗だな。似合ってる」 「!」 今、父さんと重なった気がした。姿が似ると声まで似るのかな…? 「どうした?」 「何でもないよ!ただ…今、リオの笑顔が父さんと似てて…。顔とかぼんやりとしか思い出せないのに…ははっ…何でだろ」 途中笑ってみたけど空元気で余計辛くなっただけだった。 僕は髪を誉められると弱い。幼い頃、父さんが誉めてくれたから。父さんと約束したんだ。
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