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『海哩…お前は綺麗な髪の毛だな。お前が髪を伸ばせば大きくなった頃にはもっと綺麗な女性になるだろう。その時が来たら[父さん]はお前の望んでいるものをあげよう。約束だ』
望みなんてない。あっても叶えられない約束。
父さんが病気なのは知ってた。治療しても絶対に治らない病。それでも幼い僕は治ることを祈って毎日病院へと足を運んだ。
でも死は残酷なもので突然やってきた。
当時5歳だった僕は死を受け入れる事が出来ず家から一歩も外へ出なかった。人は何故死んでしまうのか、どうして神様は大切な人を奪うのか分からなかった。
毎日、部屋にこもり泣き続けていた。心が壊れそうで毎日が辛かった。
小学校に入学した僕はやはり全く笑わず、いつも一人で過ごしていた。常に孤独でいっぱいだった。
そんな僕に話しかけてくれる子がいた。
九条 仁と橋本 琉梨、今では大親友の二人。この二人がいてくれたから僕は今笑っていられる。
泣き虫で笑う事が苦手だった僕を変えてくれた恩人。
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