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それにしてもさっきまで通学路を歩っていたのに不思議でしょうがない。そんな事を考えているとガサガサと茂みの方から音が聞こえた。
な、なんか漫画とかだと獣とか出てそうで怖い。
「何者だ、ここは立ち入り禁止の場所の筈だが」
出てきたのは貴族の男性だった。何で分かったかというと、服はシルクの素材に金糸の刺繍で作られている。装備品は高価そうなネックレスと長い剣。剣の鞘には宝石だろうか、キラキラ光る石が埋め込まれている。
そこから僕はこの人が貴族の人だろうと判断した。
「おい、聞いているのか」
「ぼ、僕は滝水 海哩と言います。決して怪しい者ではありませんっ」
僕は色々考えていた為男性の声で我に返った。それより自分から怪しい者じゃないって逆に怪しいだろ僕の馬鹿。
「海哩か、お前を城へ連行する」
「え…どうしてっ」
あまりにも意味が分からなく僕は男性に聞き返した。
「当たり前だろう?ここは城の者しか来てはいけない。他の民の出入りは禁止されている。だからだ。抵抗するのであれば強制的に連れていく」
禁止と言われても上空から落ちてきたし、色々と困るんだけど。話しても信じてもらえないと思うし……。
下手に抵抗して何かされたりしたら嫌だし、もし逃げる事が出来ても行く宛てもない。そのため僕は言われるがままに城へ連行される事になってしまった。
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