9.裏切り

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木工室を飛び出したあたしは、そのまま屋上へと飛び込んだ。 「何で……何でこうなっちゃったの?」 張り巡らされた緑のフェンスの前で、あたしはその場に崩れ落ちた。 どうして、あの画像を玲央が持ってるの? 考えても考えても、わからない。 「キスなんて……浮気なんてしてないのにッ」 溢れ出す涙を止められない。 羅刹のことを玲央に言うわけにはいかなかったから、あの画像を否定することもできなかった。 悔しくて、余計に涙が溢れる。 「もう玲央は、あたしのこと好きじゃないのかなぁ……」 悲しくて、苦しくて、どうすることもできない。 あたしが一人で泣いていると、不意に屋上のドアが開いた。 驚いて振り向くと、そこにいたのは…… 「亜夢……?」 あたしの呟きに、亜夢は小さく微笑んだ。 「美愛ちゃん、大丈夫?」 「うん……どうして亜夢がここに?」 「美愛ちゃんが心配だったから、ずっと探してたの。やっぱり美愛ちゃん、泣いてる……」 そう言って、そっとあたしを抱きしめる亜夢。 「亜夢……あたし、どうすればいいのかわかんないよッ」 亜夢の胸の中で、あたしは自分の想いを吐き出した。
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