7.計略

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「何であいつらが美愛を拉致ったのかはわからない。俺たちはそんな命令はしてないし、今は暁を敵視してるわけでもない」 「じゃあ、理人は本当に何も知らなかったの?」 あたしの言葉に、大きく頷く理人。 理人たちじゃないってことは、黒幕は羅刹とは関係ない人物、か…… あたしはギュッと唇を噛み締めると、ゆっくりと立ち上がった。 「助けてくれてありがとね。……今日のことは、玲央たちには黙っておくから」 あたしがそう言うと、驚いたように目を見開く理人。 「いいのか?お前を襲おうとしたのは、羅刹の人間なんだぞ?」 「そうだけど、羅刹として動いてたわけじゃないんでしょ?それに、理人が助けてくれたし」 あたしがそう言うと、「ありがとう」と理人が頭を下げた。 「じゃ、あたし帰るね」 「あぁ、気をつけてな」 そう短く言葉を交わし、あたしは近くに落ちていた荷物を拾って部屋を出た。 ……そういえば亜夢、どうしたんだろう? まさかまだクラブにいる、ってことはないよね? 心配になってケータイを見ると、まず目に飛び込んできたのはものすごい数の着信。 もちろん、そのほとんどが大雅の名前。 まぁ何の連絡もせずに帰らなかったからね。
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