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……え?
今、何て言った?
……玲央が亜夢に告白?
「う…そ……だよね?」
「ううん、嘘じゃないの。昨日のお昼休みにね、ここに呼び出されて、それで告白されたの」
そう言って、小さく俯く亜夢。
……確かに昨日、昼休みに玲央と亜夢がいなかった時があった。
でも玲央は香川に呼び出されたって言っていたし、亜夢は委員会の仕事があるからって……
「あのね、ちゃんと美愛ちゃんには言わなきゃって思って……」
「ごめん亜夢、ちょっと一人にさせて」
亜夢の言葉を遮り、あたしは逃げるようにして図書室を後にした。
何も考えられない……何も考えたくない。
玲央が亜夢に告白したなんて、信じたくないッ
亜夢は悪くないとわかっていても、でも、今は亜夢の顔を見たくない……
少しでも亜夢から離れたくて、あたしはひたすら廊下を走った。
図書室に残された亜夢が、一人楽しそうに笑っていたことにも
廊下からその一部始終を見ていた人物がいたことにも気づかずに――
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