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――玲央side――
昼休み、俺たちは久々に生徒会室で昼飯を食っていた。
今までは藤堂がいたから、教室や屋上で食べていたが。
今日は美愛と二人で食べるらしい。
「はぁぁ……何なんだよマジで……」
俺が大きなため息をつくと、叶多たちが不思議そうな顔をした。
「そんなおっきいため息なんかついちゃって、どうしだの?」
「あ、わかった!また今日も香川ちゃんに呼び出し食らったんだろ~」
「んなわけねぇだろ、バカ」
ニヤニヤしている天馬を睨みつけながら、俺はさらにため息をついた。
まぁ確かに、昨日の昼休みは香川に呼び出し食らったけどよ。
掃除当番サボった罰として、一週間トイレ掃除しろって言われたけどよ。
今の俺の悩みは、そんなちっせぇことじゃねぇ。
「ホント何なんだよ、美愛……」
そう呟いて、俺は頭を抱えた。
“美愛ちゃんが最近、他の男の子と遊んでるみたい”
そんな話を聞いたのは、ちょうど三日前くらいだ。
最近美愛と仲の良い藤堂が、こっそりと俺に教えてきたのだ。
もちろん、最初はそんなことこれっぽっちも信じていなかったけれど。
でも、それを聞いてから美愛と喋る時、少しだけ違和感を感じるようになったんだ。
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