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ファイルが添付された、本文も何もないメール。
そして、ダウンロードされた画像を見た俺は、自分の目を疑った。
そこに写っていたのは、知らない男とキスしている茶髪の女……美愛だった。
何でだ?何で美愛が写っている?
突然のことで理解できず、頭が真っ白になる。
ケータイを見て固まったままの俺に叶多たちが何か言っているが、今はそんなことどうでもいい。
男の方は後ろ向きのため、顔はわからないが。
キスしている女の方は、紛れもなく美愛本人。
「何だよこれッ……!!」
俺はそう呟くと、反射的に生徒会室から飛び出した。
全力疾走した俺は、上がった息を整えもせずに教室のドアを開けた。
その途端、一斉にこちらに向けられる無数の視線。
そんなことは気にせずに、俺は一直線に目的の人物の元へと向かう。
そして……
「……話がある。ついて来い」
俺は、自分の席で俯いている女――美愛に向かってそう言った。
一瞬ちらりと俺に目を向けた美愛は、静かに立ち上がる。
そして俺が歩き出すと、黙って後についてきた
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