鬼の登場

3/6
前へ
/202ページ
次へ
「暗くなったらダメだよ?」 「…? …あ!もしかしてさっきの…」 わざと私の手引っ張って転ばしたの? 私が暗くならないように… 気を使ってくれたの? 「ありがとうございます」 「ん」 総司さんは私の手を掴んだまま 歩き出した。 しばらく歩くと総司さんが 陽当たりのよさそうな部屋の前でとまった。 「土方さーん。入りますよー?」 「おぅ」 中から低い声が聞こえる。 スッと総司さんが襖を開ける。 部屋の中には男の人が一人いた。 「どうした?」 コト と持っていた筆を置いて私達のほうを向く。
/202ページ

最初のコメントを投稿しよう!

246人が本棚に入れています
本棚に追加