鬼の登場

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「総司てめぇ… 俺をからかってるのか?」 「いいえ?からかってませんよ?」 土方さんの声はより一層低くなる。 雪よりも冷水よりも冷たい声に私は総司さんの手をギュッと握る。 「柚ちゃんが怖がってます。 睨むのを止めてください。」 総司さんがそう言うと土方さんは ほんの少しだけ目付きを柔らかくした。 「柚ちゃん、自己紹介」 握っていた手をパッと離される。 総司さんは私の後ろに回り 私の背中をトンと押した。 「あわっ!?」 「柚ちゃん、自己紹介。 あと一回言わせたら殺すよ」 後ろからの声の主を見ないように 前にいる鬼に顔を向けた。 「えっ…と…四宮柚です」 「俺は土方歳三だ」 「わ、私…その…えっと…み、みら………………やっぱり無理です!」 私は土方さんの鋭い目付きに耐えられず総司さんの後ろに隠れた。 「はぁっ…土方さんが睨むから」 「俺のせいじゃねぇよ。 コイツが勝手にビビったんだろうがよ」 「だからって女の子をそこまで睨みますか?普通」
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