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「はぁぁぁ…」
これでもかと言うほどの長い溜め息をつく土方さん。
土方さんが可哀想に見えて私は総司さんの後ろから出て土方さんの所に行こうとする…が
ズルッ←滑った
「きゃっ!?」
ドサッ←倒れた
ガシャンッ!←机にガシャンw
「うわっ!?」←ちなみに土方さん
ここでも柚のおっちょこちょいは治らず…
ポタポタと柚の頭に掛かった墨汁が
滴り落ちる。
「柚ちゃん…」
総司さんの哀れむような声が聞こえる。
「おめぇ…大丈夫か?」
土方さんも哀れむような声で私を気遣う。
私は顔を上げ、目の前にある状況を見た。
土方さんがさっきまで書いていた書物らしきものと机は墨汁で真っ黒。
筆は土方さんが置いた場所にそのままあるが目も当てられないほどぐちゃぐちゃだ。
「あ…ご、ご、ごめんなさい」
「いや、別に構わねぇが…大事なモンでも無かったしな」
「どーせ恋文の返事でしょ?土方さん」
恋文って確かラブレターのこと…?
私、そんな大事なものを…!
「そんな顔するな…また書き直せばいいんだからよ。」
ポンと頭に手をのせられる。
「まずは風呂行って体洗ってこい」
私は自分の服を見た。
「うわっ…墨汁が…」
墨汁で制服は全部真っ黒。
「お風呂、案内するからついておいで?」
総司さんが私の手を握り、立たせてくれる。
「ありがとうございます。」
制服を汚したり、恋文を汚したり…残念でならない私には今、元気はない。
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