じつわじつわ…!

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「君さ…」 総司さんが声をかけてきた。 「は、はい」 「異人?」 「はい?」 異人って外国人のこと? 「わ、私は日本人です!」 「ふーん。証拠は?」 「日本語を喋っていることです!」 「それだけ?」 総司さんは私を睨みながら質問をしてくる。 「はい…」 「はぁ…ねぇ、平助」 「ん?」 「この子…殺していい?」 「「え?」」 平助さんと私の声が重なる。 「だってさ、どう見ても不審者だよね?」 「そ、そんな」 私は、思わず声をあげる 「総司。止めておいたほうがいいと思うよ」 平助さんは私を庇うように前に出た。 「なんでさ?」 さっきよりも低い総司さんの声が 耳に届く。 「異人なら絶対に日本語は喋れない。」 「へぇ…平助はその子を庇うんだ?…なに?もしかして一目惚れ?」 「なっ!?ち、ちげーし!」 「見た目だけで判断するのは良くないよ? それに、もしこの子が日本人だったとして…間者だったらどうするの?」 「そ、それは…っ」 総司さんの言葉に平助さんは 言葉を詰まらす。
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