運命

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気付いた時には、もうすでに遅かった。 足の踏ん張りもきかない状態で、俺は必死に力いっぱい流れに逆らい、やっと川から出る事が出来た。 俺はあまりにも必死だった為、友達の存在を忘れてしまっていた。 友達は俺がさっきいた場所近くでまだナマズを探している。 おい!!早く川から上がれ!!流れが激しくなってきたぞ!! [うん。でもさっきデカイ影みたいのがみえたんだ…] いいから!! すると友達は、足を滑らしたのか、踏ん張れなくなったのかは分からないけど、急に倒れてしまい、流されてしまった。 俺は川辺を必死に走り おい!!何かに掴まれ!! 70メートル位流されたところで、流れもよかったおかげで友達は川辺のブロックに掴まる事ができた。 しかし、川の激しい流れに、子供の力では自力で上がる事が出来なかった。 そのまま掴まってろと友達に言い、友達の腕を両手でおもいっきり引いた。 すると、なんとか自力で上がれる位のとこに友達を上げた時、今度は俺が足を滑らして川に落ちた。 友達は相当恐かったんだろう、相当疲れたんだろう、その場所から動こうともせず、ただ流れて行く俺を見ていた。 俺は70メートルどころの話ではなく、300メートルは流されてたはず。 その間の俺は、恐怖だけの世界で、ずっと助けを求めていた。 死ぬかも… その時の感情が甦ってきて 誰か助けて!! 恐いよ、死にたくないよ (死にたくないよ!!) [おっ!!なんか違う事言ったけど、まぁいいか。] 恐いよ… 死にたくないよ… [おい!助けてやるよ。もう声出せるだろ?] あっ?本当だ!! [俺は、天地!お前を助け、神にする男だ!ありがたく思え。]
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