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「ならこれに参加してはっきりさせようじゃねーか」
フィックスの予想とは違いリオルは襲いかかってくることはなかった。その代わり、懐から出した一枚の紙を机の上に叩きつけた。
フィックスはビクッと体を反応させてビビってから置かれた一枚の紙を見る。
その紙は彼が荒っぽく扱っていたのでぐしゃぐしゃとシワがよっていた。それでも《特別研修会案内状》と書かれた字はしっかりと読める。
「何ですかこれ?」
「めんどくせー。ミレン、代わりに説明してくれ」
「わかりました」
自分から切り出しといて説明を他人任せとは、さすが俺様リオル様である。
そして彼に任されたミレンもさすがである。投げやりに説明を押し付けられたのに全く怒っておらず快く承諾していた。
だから彼女はフィックスを始めとする数多くの男性から想いを寄せられるのである。
「今年から数年に一度、若手育成という名目の元、世界各国から二十二歳以下の実力者達を集め研修会を開くこととなりました」
「誰が一体そんなことを?」
「西の最強のSクラスと呼ばれているアバさんです。彼女は前々からそのことを検討していたらしく、今年ようやくその研修会を開設したみたいです。聞いた話ではすでに格闘技のプロの選手やギルドの有名選手の皆さんが参加を決めたみたいですよ」
「すごい研修会ですね。でも、そうなれば参加対象が凄く厳しいんじゃないですか?」
「フィックス君の仰る通り、参加対象はとても厳しく、Cクラス以上のライセンスを持ったもの、それから各国で行われる選考会で選ばれたもの達と限られております」
「選考会?」
「こちらは医療に優れたものやまだ実力はありませんがこれから伸びるであろう若手を選び出すものです」
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