精神的窒息

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  倒壊タンクの居住区域の人々の間で、自分たちは空気不足で窒息死させられるのではないかと不安の声が広がっていた。 いち早く別の区域へ避難しようとしたり、空気自動販売機のペットボンベを買い占めたりする者も現れだした。 混乱の極みに陥り、空気を求めて迷走する暴徒。 空気に満たされた大きな施設に集まろうとするが、誰かの不注意で汚染外気が入り込み、大勢の罪なき命が消えていった。 迷彩防護服で顔を隠した若者はエアカーからいきなり飛び出し、老人の背中からボンベを奪い取った。 窒息状態の老人は空気をくれ空気をくれとうめき、うずくまり、防護服の首元を引っかいて穴を開けた。 怪力の大男は空気自動販売機を破壊してペットボンベを引きずり出すが、仲間と分け前を巡って自滅する。 人々の心は、もうすでに窒息していた。
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