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彼女は木の根に座っていたので僕は隣に座りゴメンと言った。そして、君が怒ったり悲しむのは見たくないのだと、どうか許してほしいというような事を言った。
彼女は俯いて僕の言葉を聞いていたが、突然顔を上げたかと思うとこう言った。
「私の事好き?」
「………嫌いじゃない。好き…だよ。」と僕。
「私のために死ねる?」
「わからない…」
「誰かを殺せる?」
「それは無理かな…」
「村の男を殺してよ」
僕は一瞬言葉を失った後で「殺せるはずないだろ!」と声を荒らげて立ち上がった。
今度は僕が怒って歩きだした。
僕は途中、彼女が追いかけてくるのを期待した。
でも彼女は来なかった。
最後に見た彼女は笑っているように見えたけど或いは泣きだしそうな顔だったかもしれない。
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