内田樹の「街場の文体論」を読んで

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 私が手紙の重要性を認識したのは3年前です。姪の結婚式で座席表の裏に、百文字ぐらいの私宛のメッセージが書いてありました。姉がいうには、出席者全員分を夜遅くまで書いていたそうです。幼い頃の思い出がしたためられていて、少し涙が出ました。そのメッセージの横に、花嫁へのカードが置いてありましたが、そこに返事を書かなくてはいけないのに、私は何も書けずに白紙を置いてきました。  その後、2週間かけて花嫁にメッセージを送りました。それから、甥と姪全員に手紙を書き、叔父さんや叔母さんへも近況報告をしました。大切だと思う人間へ手紙を書いていきました。手紙を書くにあたっては、相手がどんな状況だろうか想像しながら、文章を考えました。これは一つの訓練だったと思います。その訓練は、こうやって、面識もないあなたに手紙を書くという形になっています。  手紙を書くということを続けて、読者と作者を交互に繰り返すことによって、読者と作者を結ぶブリッジが出来ると思います。そうすることで、いつでも自由に立場を替えられるようになるのだと思います。 あなたが間違っているといっている訳ではありません。ただ、私はこの道を進み、自生的な文章を書ける作家になっていきたいと思います。」  最後に、これは論点ではありませんが、「文字数制限がない」というのは、どれぐらいを考えられているのかについて、尋ねたいと思いました。これぐらい長くても問題は無いのでしょうか。学生さんたちは一週間でレポート作成するのでしょうから、そんなに長くはならないでしょうが、何文字ぐらいまで想定されたのでしょうか。無制限といいながら、人は無意識に限度を想定しているものです。本一冊分の文量なら、読者は怒り出すでしょう。本当に、ここまで読んでいただけたら、嬉しくてなりません。
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