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  それから、今日の昼食に少し失敗してしまったこと。 けれど夕食はとても上手にできたこと。 ネズミは机の後ろ、壁の少しだけ穴の空いた場所から顔を覗かせ、シンデレラの話をじっときいていました。 そしてシンデレラはふと思い出したように顔を上げ、ポケットから小さな包みを出しました。 不意に、けれどゆっくりと、シンデレラがネズミに近づいてきます。 「ネズミさん、食べる?」 包みの中はチーズの欠片と小麦でした。 シンデレラは時々こうして、小さな生き物に食べ物を与えていました。
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