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青い顔して何度も頷く転校生。
「あー…ユッキーってキレた時だけ声低くなるからなぁ…」
「…可哀想に」
「…委員長の背中に物凄い顔した般若が見える…」ガタガタガタ
後ろが何か言ってるが今はどうでもいい。このクズ虫にもっと言ってやらねぇと気が済まん。
「あの、」
「あ!」
…あ゛?
「愛!?」
副会長…?
「聡次!!」
ああ、思い出した。副会長の名前。
桜城聡次だ。
「聡次!助けてくれ!」
「…君、愛に何かしたら許しませんよ?」
作り笑いを浮かべたまま俺を睨んでくる副会長。
…あぁ…胸糞悪ぃ。その笑み、前々から気に入らなかったんだ。
聡一さんには悪いけど…コイツの顔面潰して、もう二度と笑えなくしてやる。
俺が、副会長に殴りかかろうと拳を振り上げた瞬間、副会長の後ろに見覚えのある白銀が見え、俺は腕を下ろす。
「…おい、秦」
「あれ?いいの?ゆっちゃん。俺に関わって」
「もういい。どうせこんな場所で本性曝したんだ。目立たない平凡な生活なんてもう無理だろ」
「確かにね」
「チッ…あー、イライラする。聡一さんの所行く。もう今日はサボる。ロウ、賢慈、カバン頼む」
「おう。分かった」
「ユッキー行ってらっしゃーい」
二人にカバンを頼み、俺はイライラを鎮めるためまた理事長室に向かった。
…一応父さんに人間用のゴキ●ェットプロないか、ないなら作ってくれるよう頼もう。あのゴミ虫対策に。
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