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すると恵先生は、椅子の後ろに回り机に押し入れた。 「このまま問題出してても、桜木さん答えられないだろうし……このペナルティは職員室でプリント渡すから、明日までに仕上げて職員室まで直接持ってきて。 これで今日はお開きでぇす」 軽く毒舌を吐きながら図書室の鍵をジャージのポケットから出す恵先生。 チラッと私を見たかと思うと、「早く準備して」と諭すような目を向ける。 冷めが早いというかなんというか。 なんか色々と怖いですよ……。 確かに私のせいで2時間半も時間取って貰っちゃったしね……。 「……すみません」 威圧感が漂う目で見られたら、謝らないと気がすまないような感覚になるが。 「別にいいよ~その代わりたぁっぷりプリント用意してあげるからね~」 呆れ顔はしていたが、しょうがなく許してくれたみたいで、1つ安堵の吐息をはく。 まぁ教師にとっちゃあ生徒に勉強教えるのが仕事だし、その生徒が寝てたら悲しいよね。 私だって自分が一生懸命話してるのに、隣でケータイ弄られてたら悲しいし。 恵先生に軽く同情しながらも、やっぱりプリントは嫌だなと思いながら図書室を後にした。
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