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恋人たち集う聖夜の夜。
私、神保 はるか 16歳は
街の街路でクリスマスケーキを販売していた。
「はぁ~。何でこうなるかな…」
と虚ろな目で何度もため息を吐いた。
「そんな顔してると客も逃げてくよ!!しっかりしぃなぁ。スマイルスマイル」と気が優しそうな太っちょなお婆さんが横側でケーキの箱をピラミッド型に積み上げていった。
「『それ完売するまで店の中に入るな。』だそうよ。あんたのおやじさん、自分の娘になんて可愛そうな事言うのかねぇ」
「あの人は、この日になるといつもそうなんです。家族も従業員と同様と考えますから。仕方ないんです」と卑屈ぽく応えた。
「そうなんかい」と呟いた同時、積み上げも終わっていた。お婆さんは、台車の取っ手を掴み
「普通の家だったらこんな事しなくてもよかっただろうにね。仕方ない、あたしも手伝うから…完売しちまうよ。その前に一旦これ置いてくるからね」と中へと入って行った。
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