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「可愛そうか…」と呟くと
寒い風が通って行った。
「うぅさむぅ~」と体を縮ませ右手と左手を交差させ、肩を撫でた。
「そうよ!!うちの家がケーキ家だから悪いのよ。普通の家だったらケーキなんか売らなくても大丈夫なんだから」とグチグチ文句を呟いていた。
「ぁの~」
「はい!!あっいっいらしゃいませ」
顔をあげると20代前半くらいの若い男女が並んでたっていた。
「ケーキの6号買いたいんですけど……」と女性がおびえながら応えた。
「あっはい。6号ですね」と左側にある小さな箱を取り出した。
「彼氏とデートですか?」
「えっ。あっはい…」と顔を赤らめながら答えた。
「そうですか…。3280円です」とケーキとお金を交換した。
若い男女は手を繋ぎ、仲良く帰っていった。
(いぃなぁ~)と二人を見つめながら、そう思った。
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