小さな奇跡

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「メリークリスマス」 ──だからそんな声も、俺は気にすら掛けなかった。 だけど……。 「ねぇ、無視しないでよ。 あんたのことだってば」 声の主は怒ったように声を強める。 だから俺も渋々振り返り、そして……目を見張った。 「よっ。ひさしぶり」 そこには──゙あいづがいたのだ。 いつも一緒にいて。いつも一緒に笑っていだあいづが。 見間違いかと思った。 夢かとも思った。 だがどれだけ見てもそればあいづにしか見えなくて、凍てつく寒さが夢ではないと確証させる。 けど……。 けどお前は──。
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