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君と2人歩くこの帰り道
薄暗い夜道を駆け抜けて行く
時が止まった様な場所に1人
美しく儚く笑う少女が居たよ
舞い踊る様に紅葉が落ちて
少女の笑顔此処に残して
春も夏も秋も冬も
独りここに居たよ
赤く紅く舞い踊る紅葉
君の泣き顔を映し出すよ
2人を守り続けたものは
空に帰って行くよ
秋の風薫る紅葉吹雪
君の横顔を紅く染める
追い掛けた君の幻さえ
もう僕には見えない
さよならを隠したこの帰り道
想い出も何もかも捨てようとした
情けない位に君が僕の中に
まだ元気に走り廻っているんだよ
重い病と知っていながら
君を連れ出し此処に来たよ
春も夏も秋も冬も
君と過ごしたくて
青く蒼く舞い踊る闇夜
君と僕を飲み込んでいくよ
抱き締めた君の暖かさは
今はもう届かない
冬の風薫る紅葉吹雪
君の横顔を蒼く染める
追い掛けた君の幻さえ
もう僕には見えない
弱くなってく君の鼓動が
この世界から色を奪うよ
君の雫が頬を伝う
おやすみなさい
君と見てきた春夏秋冬
今は独りで生きているよ
時が止まった場所にはもう
君はもう居ないよ
紅く蒼く舞う紅葉吹雪
少女は静かに泣いていたよ
「君」という場所に少女はもう
帰ることはないんだ
君が詠う「さよなら」
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