序章にもならない序章

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現在2012年8月23日、東京。 都会の夜。 夏休みもほぼ終わりを向かえた8月下旬、一人の男が路地裏を疾走している。バシャバシャとビルとビルの間にできた水たまりを男は踏みつぶすように疾走する。 その姿を見た者のほとんどが少しの嫌悪感と大きな恐怖を感じるだろう。 何故なら路地裏を疾走している男は見るからに人を威圧ためだけに存在するような体格、人相、服装をしている。 それもそのはずである。 その男は裏社会では名の知れた犯罪者(クソヤロウ)なのだから。 その男の名は我頭(ガトウ)、女子高生レイプ殺人の常習犯である。 我頭は両手の指では数え切れない程の女子高生を弄び、殺してきた。ただ自分の快感の為だけに、罪のない女子高生を狩ってきた。 しかし 我頭は今必死で何かから逃げまどっている その表情には恐怖がこびりついている (クソっ!!うちの若いもんをたった一瞬で倒しやがって!!姿も見えなかった!!) 我頭は苛立ちを隠せないまま逃げ惑いそして…… 「……っ行き止まりっ!?」 我頭は逃げ場を失い立ちはだかる壁に背をつける。 ザッザッと自分を追う何者かの迫り来る音を聞き 「何者だてめぇは!?俺を坂本組の我頭としってやってんのか?あぁ!?」 我頭は姿の見えぬ何者かに向けてお決まりの脅し文句をぶつける。 しかし ザッザッザッと足音はどんどん迫ってくる。
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