初雪のクリスマスパレード

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駅前の柱の向こう、後ろ姿でもはっきりわかる。 知られちゃまずい関係だから、人目に付かない夜に待ち合わせた。 待ち合わせ時間が待ち遠しくて、予定より少し早く着いてしまったのに、 エリは既に待っていた。 小さな一つ一つのことが嬉しい。 でも浮かれきってしまってはいけない。 俺は気を引き締め直してエリに声をかけた。 「先生、随分早いね」 「早いのはエリだろ。それから外で先生はやめろ」 「あ、そっか。じゃあ、緑川…さん?」 赤い鼻で首をかしげるエリに、さっき引き締めた気がまた緩む。 いかんいかん。 「パレード、このすぐ近くなんだ」 エリの言うようにここから程近いようで、パレードに行くと思わしき人の流れが出来ていた。 人混みに混ざり、白い息を吐きながら遊園地に向かう。 予想以上に寒くて、 かじかんだ手に、手袋持ってくりんだったと後悔したその時、 寒さに耐えるために固く握りしめた掌が、 暖かい何かに包まれた。
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