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「俺…、体温高い、から」
そう言って俺の掌を握るエリの耳は、
寒さなのか、それとも違う理由からなのか、真っ赤に染まっていた。
正直かなり嬉しい。
でも……
「エリ、離せ」
「え…」
「ここは外だ。離せ」
もしも誰かに見られて、俺たちの関係を知られてしまっては困る。
「ん…。だよね、ごめん…」
しゅんとしたエリに、胸が苦しくなる。
でもこればっかりはどうしようもない。
「あっ、先生、ここ!ちょうど始まるとこだよ!」
弾むようなエリの言葉に顔を上げると、まるで夢の世界に迷い込んだかのような錯覚を覚えた。
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