初雪のクリスマスパレード

13/21
前へ
/23ページ
次へ
「先生、いいよ」 「エリ、でも……」 「俺、一人で帰れるから。心配しないで飲んできなよ。先生方、おやすみなさい。よいお年を」 「えりゃい!ちみも見習わんかね、緑川きゅん!」 ペコっと頭を下げて、エリは小走りに駅に引き返していった。 俺はというと、俺よりかなり背の低い教頭に肩を組まれ、前のめりになりながら連行された。 近場の居酒屋に入ると、 早速教頭の『最近の子供は…』が始まり、『最近の親は…』に飛び火し、 かと思ったら『最近の政治は…』にぶっ飛んで… 内容が酔ってても固い上に、呂律が回って無くて正直半分も意味が分からない。 相川は相川で彼女にクリスマス直前に降られた愚痴を延々と語ってる。 他の先生方も誰1人まともな状態の人はいない。 結局というか、やっぱりというか。 その日は朝までコースで家に帰して貰うことはできなかった。 そんな状態だったから、メールランプに気付いたのはやっとこさ家にたどり着いた昼頃で。 肉体的にも精神的にも疲れきり、うとうとと微睡んでいた俺は、 そのメールに冷や水をかけられたような気分だった。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加