初雪のクリスマスパレード

17/21
前へ
/23ページ
次へ
「先生は…、したいって思ってくれないの…?やっぱりお情けで付き合ってるぐらいじゃ、軽いちゅーが限界なの…?」 「お、おい…、泣くなって…」 「俺、俺は…、カラダだけでもいいから…、1度きりでもいいから…、先生に、愛されてみたい…。愛されてるって、錯覚でもいいから感じてみたいよ…」 カラダだけ、とか… いつの間にそんなに追い込んでたんだろうか… 「ごめん、悪かった。あ、愛してる、から。だから泣くな、な?」 小さい子供のように泣きじゃくるエリが愛しくて。 キュウっと抱きしめた。 「や゛、だぁ…。本気じゃないくせに。そんな言葉い゛うなぁぁ…」 「本気だって。ちゃんと好きだから」 胸元が濡れる感覚を感じながら、柔らかい髪を宥めるように撫でる。 「嘘つき…。離せよっ」 口では離せとか言ってるけど、エリの手はしっかりと俺のシャツを握り締めている。 俺の胸の中で、小さな肩を震わせるエリが可愛くて。 少し低い位置にある、栗色の頭にそっと唇を寄せた。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加