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「悪かったよ。お前がそんなこと考えてるなんて全然気付かなかった」
「先生………、」
「怖かったんだ。俺はお前に悪影響与えてないかとか、後々後悔させないかとか…」
「なにそれ…、先生って意外にバカ?」
顔を上げ、見上げてくるエリの顔は、
涙が止まり、代わりに奇妙なものを見るように眉が寄せられていた。
「何なの、こんなに冷たくなるまで待ち続けて…、今日気温何度だと思ってんの」
「さあ。昼頃メールに気付いてそのまま来たから知らん」
「今何時だと思ってんの」
「お前に電話かけすぎて携帯の充電なくなったから知らん」
「風邪ひくよ?」
「ひくかもな」
「先生って、やっぱりバカ?」
「お前が俺をバカにするんだろ」
「……………なに、俺凄い愛されてる?」
「今頃気付いたか」
俺の胸に顔を埋めるエリは、耳が赤く染まっていて。
トナカイみたいだ、とからかうと、寒いからだと怒られた。
「先生。やっぱりムカつくから、一発殴らせて」
「は?なんで」
「いいから、早く歯食いしばって」
「ちょ、まっ…
「いくよ、せーのっ」
高く拳を振り上げるエリに、反射的に目をつぶって歯を食いしばる。
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