17人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
「ん……、はあ」
「…もういいだろ。俺は忙しいんだ」
「………」
「何だ。サボりは見逃さんぞ」
「……サボんないよ」
「おーえらいえらい」
俺がさっさと行けとばかりに手ではらうと、
エリは小さな口をへの字に曲げて立ち上がった。
「先生。明後日空いてる?」
「明後日ってクリスマスイブか?別に予定はないが」
「ホントっ?じゃあ俺が貰っていい?」
「はいはい、貰っていいから早く帰れ。チャイムなるぞ」
回転椅子に腰掛け、気のない返事を返す。
別に仕事がある訳じゃないし、忙しい訳でもない。
暇をもて余した俺は、何の気なしに真っ白い髪にペンを滑らせた。
こうでもしないと……
「先生、また放課後ね?」
「へいへい」
こんな関係いけないと分かっていたはずなのに。
今ではどっぷりはまって抜け出せそうにない。
教師と生徒、その上男同士。
問題は山積みだけど、一番の問題は
“こんな関係でもエリとならいい”
なんてバカげたこと、俺が本気で考えていることだ。
なんとか一線を越えることは耐えているが、正直時間の問題だろう。
最初のコメントを投稿しよう!