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そんなことを考えている間でさえ、ちらつくエリの顔。
………さっきのエリ、可愛かったな…
っていやいや、しっかりしろ俺。
………キスで濡れた唇が色っぽくて…
あぁまた!何考えてんだ俺は!
俺は先生であいつは生徒!
このままじゃだめなんだ。
このままじゃ…、このままじゃ、いつか押し倒しちまう。
ってそうじゃない!
このままじゃ、いつかこの関係がバレてしまう。
俺はいい。クビだろうがなんだろうが自己責任だ。
ただエリの将来に傷がつくのは困る。
俺たちはどうやったって許されざる関係なんだから。
………許されざる関係って、何か…、イイ。
「緑川?なに、ぼーっとして。赤江がどうかしたの?」
「赤江、って…。お前、見てたのか!?」
ぼーっとして、同僚で体育教師の相川が来たことにも気づかなかった。
「はあ?何の話してんだよ。そんなん書いてるからどうしたのか聞いただけだろ。何赤くなってんの、キモ」
机の上には真ん中に“赤江陸”とエリのフルネームが書かれた紙。
まるで俺の頭の中みたいだ。
つか俺、これ無意識に書いたのか…?
あぁぁ、不味い。本当に不味い。
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