仔犬のぼくとかみさま

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 外に出るのもおっかなびっくりなぼくは、散歩のときに頼れるものが小さな主人だけだった。  風に揺れる木々や、スズメがさえずるだけでも身を硬くする。  ときどき奇声を上げて走り去る大きくて素早い怪物には、吠えることなど忘れて主人の影に隠れる始末だ。  主人はその怪物たちを「くるま」と教えてくれたけれど、色も形も大きさも違うそれを、どうやって見分けているのだろう?
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