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まばらな人混みに流れて 君と僕の ふたつの時間に終焉が近づく。 引き返しのきかない道を そろり そろり また ひとつずつ そろりと黙々と 進んでいる。 少しだけ下を向く君をみる。 僕が改札にカードをかざしたら いつものように簡単に ゲートは開いてしまうだろう… 駅を突き抜ける風 パン屋さんの できたてのパン 芳しい美味しそうな匂いがする。 たぶん… 始まりはいつも そんな柔らかさで いっぱいだったはず。 通りを抜けだして 一人になれば いつだって寂しいくせに… 泣いたり 笑ったり 本当は 独りになっても どうしようもないくせに。 変なプライドだけ 丁寧に育てて ここまで来てしまった 君に寄り添うことさえ 素直に できないまま…。 個人てなんだろう? 他人てなんだろう? さようなら? ありがとう…?  
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