一匹の存在

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どんどん食事は進んでいき、ついには白く大きなワンホールケーキが姿を現した。 子ども達から歓声があがると香織が切り分けていき、私の飼育ケースの中にスポンジケーキとバナナを一切れずつ入れられた。 どうやら、香織はこのために私の今朝の餌を少なめにしていたようだ。 さっそく私はスポンジケーキとバナナを少しずつ口に運ぶ、口の中に甘い味が広がる。 甘いものが大好きな私は、がっつくように食べ始めた。 「ははは、フーちゃんは旨そうに食べてるな。」 暫くケーキとバナナに夢中になっていた私は、気づくと桐崎家の全員から視線を向けられていた。 「もうフーちゃんと暮らすようになってから2年になるわね」 香織は懐かしそうにそう呟いてから私がこの家に来た時のことを話し始めた。
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