一匹の存在

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「よし、それじゃ行ってくるよ。」 革靴を履き終えた史彦が居間に向かって声をかけると、香織、康輝、爽華の三人が居間から姿を現し史彦に向かって手を振る。 「いってらっしゃい史彦さん」 「父ちゃん、いってらっしゃい」 「いってらっしゃいお父さん」 「あぁ、いってきます。」 三人の言葉に史彦は返すと、外に出て車に乗り込み仕事に向かった。 それから少しすると、厚着をしてランドセルを背負った康輝と爽華が玄関に現れ、靴を履く。 「「いってきまーす!」」 「いってらっしゃい、雪が降ってて危ないから車に気をつけるのよ。」 「「はーい。フーちゃんも、いってきまーす!」」 二人は香織だけでなく私にも声をかけると、傘を差して元気良く外に飛び出して学校へと向かった。
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