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「あら、もう完全下校みたいね。帰らないと」
「待ってくれ。『完全下校』って・・・今日は部活とかはないのか?」
俺は帰ろうとする真奈美を止めようとする。
「明、アンタ先生の話聞いてた?あの事件があったから、部活動は全面的に休止するって言ってたじゃない。生徒は早く帰れって」
「あっ…そうだったな」
そう言われれば帰りのHRでそんな事言ってたな。すっかり忘れてたぜ。
「ほら、つべこべ言わず帰るわよ!」
真奈美が俺の手を取り、強引に連れてかれる。
「お、おう!」
真奈美に従うがままに屋上を後にする。
「アンタ、掃除サボったんだから、何かオゴリなさいよね」
階段を降りながら真奈美が言う。
「ハァ!?何で俺が・・・」
パキパキと指を鳴らす真奈美
「・・・ハイ、オゴらせて下さい」
「よろしい♪」
アンタ、ホントに恐いよ!!
心の底で俺は叫ぶ。
しかし、俺は真奈美に何を言おうとしたのか、この時はすっかり忘れていた。
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