神の夜

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季節は夏。セミが小うるさく鳴く夕暮れ時。 「人はいつか死ぬ。それはまるで神様が悪戯しているかのように。人はいつか死ぬ。それはまるで神様が選択したかのように。人はいつか死ぬ。それは運命・・・…」 そんな中、神宮高校の屋上で横になり、図書室で借りてきた本を小声で読んでいた俺、神無月 明は大きくため息をついた。 「何だよ、これ~。宗教みたいだな。せっかく面白そうで借りてみりゃ、これかよ」 ハァーとまたため息をつく。 本の題名は「これであなたの人生もお陀仏よ☆」 怪しそうだけれども、読みたくなる衝動に駆られるのが人間だよね? そして、本を置き、夏の夕空を見る。 雲一つない快晴。今にも吸い込まれそうな夕空。 「あー今日も平和だったなー」 とつぶやいた時、屋上の出入り口のドアが開いた。
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