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警察なんて馬鹿ばかりだ。
サイレンを鳴らしてご登場とは、近付いてますよ-と過大広告しているものだ。
待て!捕まえるぞ!と言われてわざわざ待つ馬鹿な強盗などいない。
「ふははははっ!!」
狭い迷路のような路地を駆け抜け、背後に迫る追っ手が居なくなった事に高笑いが出た。
ここに来て漸く、男は被っていた帽子とマスクを脱ぎ火を付けて捨てた。
どんっ!!
「っ!?」
走りながら作業をしてたので前をふらふらと歩いていた男にぶつかってしまった!!
勢いで鞄が投げ出されたので、慌てて空中でキャッチした。
男も同じような鞄を持っていたが、俺は間違えるようなマネはしない。
赤い小さなストラップが黒い鞄の脇で揺れた。目印だ。
ぶつかってしまった男は呆然と立ち止まったまま動かない。
キチガイのようで、何やらブツブツ言っているのが気味が悪い。が、キチガイならこのまま放っておいても大丈夫だろう。
サングラスをまだ外していなかったので顔は解らないだろうしな。
そのままキチガイ男を放置して隣街まで抜ける森に駆け込んだ。
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