7人が本棚に入れています
本棚に追加
「ヤバい。迷ったかも。」
隣街へと抜け道のある森に駆け込んだまでは予定通り。
しかし、しかしだ。進めば進む程に獣道は険しくなり、今はもう道無き道を掻き分けながら歩いている。
予定は大幅に狂うは、腹は減るし辺りはもう真っ暗だ。
パキっ…パキンっ。
枝を踏んで思った。仕方ない。今日は野宿しよう。ライターがポケットにあるのを確認して薪替わりにと踏んだ小枝を拾い上げた。
「…ひっ!!」
拾い上げだ小枝を見て小さく悲鳴を上げ、思わず放り投げてしまった。それは…
「骨っ!?何でこんな処に!?」
こんな森の中だ。動物の骨ならばあってもおかしくはないのだろうが気味が悪くて仕方がないが…。視線を下に向け目を凝らして青醒めた!!
「じ…人骨!!」
人間の頭の形をした髑髏が黒く丸い空洞をこちらに向けて転がっていた。
ぽっかり穴の空いた目の部分から小さな蛇がニュルリと這い出して来てチロリと赤い舌を動かした。
まるで、お前もこうなるのだよ。と囁くように。
うわぁぁあぁぁ!!
恐怖で必死でその場から逃げた。
走って走って。わけの解らぬままに森を駆けた。
いつの間にか灯りがチラチラと視界に入り、そこに向かって息も切れ切れに足を必死で動かした。
最初のコメントを投稿しよう!