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これは『空の宝石;スカイジュエリー』の能力の一つ、転移。
スカイジュエリーなんてゴーストジュエリーの中でも更に稀少な宝石、生きていてもそうお目にかかれるものじゃないぞ。
俺が突然の転移に驚愕していると、後ろから何かが落っこちる音がした。
「いやー、随分とまあ優秀なお友達と遊んでたみたいだね。おかげでほら、少しばかり髭が斬られちゃったぜ。最近手入れしてなかったから、手間が省けたねぇ。
知ってるかい?髭ってあんまり長く伸ばしてると毛が太くなって、剃るときに痛いんだ。
また会った時にお礼しとかないと」
後ろを振り向けば、さっきのオッサンが飄々とした顔で、自身の斬られた髭を撫でていた。
「あ、そうそう。自己紹介がまだだったね。僕の名前は【ピールヒル・エリオット・ロイ】。略してピエロ、気軽にピエロおじさんって呼んでね、黒髪君。それで黒髪君、君の名前は何て言うんだい?僕は君のことを何も知らなくてねぇ」
やっぱり初対面だ。
「私はケイ・ヴィーノ、と申します。この度は助けて頂き誠に―」
「ほっほー、こんなおじさんに敬語とは、いたいけな少年をふっとうさせる物言いだねぇ。敬意のないつまらない敬語は、僕にはいらないよ、黒髪君」
名前名乗った意味なかった。
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