食パンの耳

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食パンの耳

ある日ぼくは 食パンの耳に 囁いた 君はいつも サンドウィッチのいらない役目を担って 大変だね ぼくはただそれだけ言うと ゆっくり包丁で食パンの耳を切り落とす 耳のない食パンは 輝いているように見えて 耳だけの君は くずかごの中で こっそり泣いているのを 知っているのに どうしてか僕は その時 食パンの耳を 食べる気にならなかった  
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