プロローグ

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おや、一体どうしたんだい、こんな所に迷い込んだりして。 何?ダンジョン探索? あいにくこのルートにはアイテムも階段もありはしないよ。 それにしても、アンタちんちくりんな格好をしているねぇ…。 え?私が何者かだって? あぁ、勘違いしないでおくれよ。私はあのデビルとかいうものじゃあないよ。 デビルどもなんかよりずっと昔からここにいるものさ。 この世界が洪水に見舞われるより、もっと前。無実の女達が人間の悪意に殺されていた時くらい昔からね。 そうだね、無知なアンタに1つ、昔話でもしてやろうじゃないか。 ある者にはその辺の石ころくらいの価値しかなく、ある者には山ほどの財宝くらいの価値のあるかもしれない、ただの昔話。 さぁ、そのさかしい口をつぐんで、少しばかり私の話に耳を傾けておくれよ。 久々の客人で、私は今いやに機嫌がいいんだからさ……――。
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