夏休み

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  それから時間は刻々と進み   只今、午後一時。   俺の部屋なう。   机を挟み、目の前には   いのちゃんが居ます。   机の上に山積みになった   課題を見て、気が重くなる   俺に対して、何故か   いのちゃんは笑った。  「な、…なんだよっ」  「いや、こうして俺を頼って   くれたことが嬉しくてさ」  「迷惑…とかじゃない?」  「え、どうして?」   素でそう聞き返してくる   から、俺は言葉に詰まって   しまった。   だって、課題を手伝う   なんて面倒臭いはずだ。   俺なら絶対に嫌だ…けど、   まあ、手伝いは、する。   でも、いのちゃんの場合は   嫌な素振りなんて1つも   無くて、寧ろ嬉しそうで   つい疑問を抱いてしまう。   いのちゃんって…   やっぱり変わってるなあ。   染々とそう思っている内に   いのちゃんは一冊、一冊と   課題のページをパラパラと   捲っていた。  「にしても、   本当にどれも真っ白だね」  「これ…夏休み中に全部   終わると思う?」  「んー…毎日を勉強漬けに   すればなんとかなるんじゃ   ないかなっ」  「はあ……そっか、」   勉強漬け、という単語を   耳にした瞬間、気が重く   なり、頭が痛くなる。   まあ…毎年完璧にして   課題を提出していたわけ   でもないから、今年も   何個かだけやればいいか…   それなら、まだ二日間   ぐらい頑張れば   なんとかなる気もするし、   もし、本当に無理になった   時には、必殺答え写し   っていう最終奥義もある。   そりゃ、課題は適当に   やっても意味は無いのかも   しれないけど、適当に   やらなきゃ仕様がないんだ   そんな時もある。   きっと、大丈夫だ…大丈夫   そう自分に言い聞かせれば   頭痛が少し治まったような   気がした。  「こうなったのは俺の責任   でもあるし、手伝うよ」  「あ、ありがとう…!」  「いえいえっ」  「あ、でも!こうなったのは   いのちゃんのせいじゃねー   から!だから、責任とかは   感じなくていいっ」   いのちゃんに責任を   感じられてしまうと逆に   俺が凄い罪悪感に襲われて   しまう。
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