聖なる夜に

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サンタクロースを見た。 それは、ただ単にサンタクロースの衣装を着た一般人かもしれない。 イベントを盛り上げるためにきているバイトの人かもしれない。 でも僕は見たんだ。僕にしか見ることのできない素敵なサンタクロースを。   時はとある日の前日。僕は猛烈に緊張している。 別にトイレを我慢しているとかそんなんじゃない。 面接とかよりも確実に緊張するイベントがある。そう、クリスマスである。   男と女が聖なる夜に全てを捧げる日。 相思相愛の男女がいい感じの雰囲気で幸せになる日である。 僕は彼女いない歴=年齢なので、クリスマスなんてものはリア充どもがイチャイチャして、僕たち童貞に見せつけているようにしか見えない。   しかし今日、僕の中の常識をぶち壊そうと思っている。 つまり、僕も意を決して女の子に告白しようと思っているのだ。 その相手は誰か。僕が好きになってしまった女の子は、昔からいつも僕と一緒に遊んでいた幼なじみである。   僕の名前は深瀬龍牙。高校二年生で、特にとりえもない普通のどこにでもいるような高校生である。
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