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その後、京介様は茶屋に全く来なくなってしまった。 俺の身受けの話も着々と進んでいき、俺は一ヶ月後に茶屋を出る事になった。 今は仕事をせずに、外ばかり眺めている。京介様がまた来るのではないかと思ったからだ。 一日、また一日と過ぎていく。俺の身受けの日は、近くなるばかりなのに、京介様は茶屋に来ない。 仕事が忙しいのだろうとごまかしていたが、やはり婚約者とのやりとりが忙しいのでは、という考えばかり浮かんでしまう。 身受けの一週間前、水野様が俺を訪ねて来た。水野様は俺と話がしたいと言った。 空き部屋に通された俺は、襖を閉めてすぐに水野様に組み敷かれた。 俺は悪寒がした。今から水野様とやる行為が気持ち悪くて仕方ないのだ。今までそんな事は絶対に無かった。 京介様は愛だけでなく、俺に本当の恋愛感情も教えてくれたのだ。だからいつも窓の外ばかり見て、京介様を待っていた。京介様の婚約の話を聞いた時、胸が痛くなった。
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