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この世に「夢」や「希望」なんて無い。あるのは「絶望」だけだ。
俺は空を見ながらいつもそんな事を考えている。夢は持っても決して叶わないし、希望はもつだけ無駄。そんな事なら、最初から最悪の場合を想定していた方が傷つかない。
俺は父親を知らない。母親は吉原で花魁をしていた。その時、母を買った客との間に産まれたのが俺だ。俺を産んだのを機に母は吉原をさったが、毎日違う男に抱かれていた。俺が夜眠ったのを見計らって、男を連れ込み身売りをしていた。そして翌日には、何もなかったかのように俺に接していた。
俺は時々、母の客に暴力を振るわれていた。母は客に俺の存在を隠していたから、俺を見つけた奴は母に「こいつ何だ」と聞いた。その時母は「知らない」と答えていたものだから、男は皆「目障りだ餓鬼」と俺を罵り殴った。
そんな生活が五年位続いた時、俺は母親に捨てられた。
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