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今、俺は茶屋の一番良い部屋に京介様といる。 「柴月はどうして今日茶屋から出たの?」 京介様が聞いた。 しかし俺は答えなかった。いや、答えられなかった。目的なんて無かったからだ。 「柴月は寂しそうな目をしてる」 黙り込んでいる俺に京介様は 「今日は私がいるから、そんな顔しないで」 と言って口づけてきた。そして俺を布団に押し倒し、胸元を弄ってきた。 「んぁ…」 俺は思わず甘い声をあげていた。 「柴月…柴月…」 京介様は何度も俺の名前を呼んだ。その時だけ独りじゃないと思えた。 「京…介様ぁ…」 俺も名前を呼んだ。嬉しかった。今まで何人もの人に抱かれてきたが、俺をこんなにも想ってくれる人はいなかった。 俺は一晩中京介様を求め続けた。
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