**Siwon

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「嘘……」 会社を出たら、どしゃ降りの雨が降っていた。 天気予報を見ていなかった私は当然傘は持ってきていない。 「仕方ないか…」 走りだそうとした瞬間、誰かに腕を掴まれた。 『傘、ないの?』 「え… はい…」 初めて見た男の人。 身長が高くてスーツがすごく似合っている。 『僕の貸すよ』 「そんなの悪いです!初対面ですし…」 彼はふっと笑って、傘を広げた。 『僕は君を知ってたよ』 「え?」 『お人好し』 私は超がつくほどお人好し。 それを初対面の彼が知っていた。 _
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