例えば僕が、

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相談とは何だろうか。 僕と君は云わば、友達という間柄であり、相談をしたり受けたりはよくある事だ。 それが告白であったらいいのに、と思った事は多々あるけれど、口に出した事は一度もない。 相談事があるなら早く言ってしまいなよ、と言いながら日誌を書く作業を再開した。 少し迷った様な君は、幾等か間を空けてから言った。 「私ね…好きな人がいるの」 どきり、とした。 それを悟られない様に、ふぅん、とどうでもいい事の様に返事をして先を促した。 日誌を書く作業を続けたけれど、それはあくまでフリであり、僕は全く集中できていなかった。
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